平成23年3月7日 石狩市議会第1回定例会 一般質問 
1.マニフェストの進捗と評価、多選批判考え方について 2.平成23年度予算に対する考え方について 3.人口減少及び高齢社会に対する施策の考え方について 4.まちの幸福度指数の設定に向けた考え方について 5.幼児の保育と教育の一体的な施策の展開について 過去の質問へ】
第13回
H19.6/21

第14回
H19.12/12
第15回
H20.6/18

第16回
H20.9/10

第17回
H21.3/5

第18回
H21.6/24

第19回
H21.9/18

第20回
H21.12/4

第21回
H22.3/9

第22回
H22.6/16

第23回
H22.9/8

第24回
H22.12/7

第25回
H23.3/7

第26回
H23.6/20

第27回
H23.9/20

第28回
H24.3/5

第29回
H24.9/20

第30回
H25.3/4

第31回
H25.9/17

第32回
H26.3/4

マニフェストの進捗と評価、多選批判の考え方について ページのTOPへ
【質問:池端】
 いよいよ今期最後の定例会を迎えました。これまで私は、議会での議論を通じて、市民生活の安心・安全を第一に考え、市政発展に取り組んでまいりましたが、田岡市長のリーダーシップと、その思いを具現化された市職員の皆様に対し敬意を表したいと存じます。
 田岡市長におかれては、今任期の労をいやすこともなく、次の出馬に向けて大変慌ただしくなると思いますが、お互いにここでまた建設的な議論を交わすことができるよう心より御検討をお祈り申し上げたいと存じます。
 それでは、通告に従いまして質問をしてまいりますので、理事者及び部長の皆様の前向きな御答弁を求めたいと存じます。
 まず初めに、今任期におけるマニフェストの進捗度と評価についてですが、先ほど北田議員、また、伊藤議員に対する御答弁があり、おおよそ承知はいたしました。
 しかしこの4年は、経済あるいは政治的にも、おしなべて低調な4年であったと思いますが、そのような状況の中でもしっかり政治を前進させていかなくてはなりません。
 市のホームページに公開されている市長マニフェストの進捗状況を私も目を通させていただいておりますが、私なりに関心の高い施策や事業など多く掲載されておりましたが、中にはうまく進んでいない事業もございました。
 市長は個々に捕らわれず、全体にまだ満ちずと評価をされていましたが、先ほど挙げられていた新港地域における従業員送迎バスの共同運行や、新港操業企業間における結びつき、また、北田議員が指摘しておりました共同託児所設置など、その目的を成就させるための適切な手段が必要であります。
 したがって、今後において事業の見直しなども迫られると思いますが、この点について、どのようにお考えになっておられるでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
 また、100パーセント達成と評価されているものの中には、私の評価と多少の差異を感じる事項も中にはあります。まさに自己評価と客観的評価の齟齬といった課題の存在を感じるわけですが、これについて、進捗度はよいとしても、例えば当該者による満足度や充足率といった効果測定がなされていない部分については、実証的な評価を加味するなどの客観性もマニフェストの効果を上げる上で大変有効ではないかと考えますが、市長の御見解をお聞かせください。

 次に、同じ項目の2点目です。
 次に向けた市政課題と多選批判についてお尋ねをいたします。
 冒頭でも少し触れましたが、田岡市長は、先々月の21日に、次に向けて出馬表明をされております。恐らく山積する市の課題に対し、我々にははかり知ることのできない大きな責任感がその動機となり、決断に至ったものと推察する次第です。
 さて、それらの課題に立ち向かう勇気や気概とはまた別に、他方、4選あたりから多選批判といった問題が頭をもたげてきます。
 一般的に言われるのは、地方公共団体の長は、その地方公共団体の幅広い事務を執行する権限を有する特認性の機関であり、多数の公務員で構成されるピラミッド型の構成組織の頂点に立つ存在であることから、どうしてもその権力が強大になりやすい構造になっていることが挙げられます。
 そして長は、他の執行機関に属する案件を含む議案の議会への提出権、予算の調整執行権、地方税の賦課徴収権など幅広い権限を持ち、職員の任命、指揮監督などの人事権も有しております。これだけの権力が1人の長に集中するわけですから、一般的な懸念が皆無のわけがありません。
 また、長の任期が終わりに近づくと、逆にその権力が著しく減退する、いわゆる死に体状態になるとか、再び選挙の審判を受ける可能性がなくなったりしますと、民意を気にする動機が少なくなり、民意からかけ離れた政策を行う危険が生じたり、国と地方の関係の垂直的権力の分立のバランスを変化させ得るといった実態面での懸念などの存在も見逃せない事項と考えられます。
 このような点から、多選制限によって長の権力をコントロールする手法は、立憲主義の観点から正当化し得ると考えられているようです。
 さて、最近では、石原東京都知事が3期終了間際になり、「人間は同じことを何回やっていてもだめ、人心もうんでくるし、やっている当人もだれてくる」とおっしゃっていたことを新聞で見ましたが、まさに、さきに述べたようなことも踏まえての発言と感じております。
 そこで、田岡市長は、この多選批判をどのように考えておられるでしょうか、お考えをお示しいただきたいと思います。
 また、4期目に向けて、田岡市長を突き動かす動機、あるいは重要な政策課題については、先ほど七つの柱についてお話がありました。市の成長の視点、1次産業の育成や成長の考え方、あるいは財政再建の再チャレンジなど多少気になる点はございますが、詳しくは次回の議会でしっかりと議論をさせていただきたいと思います。
 以上のことについて、市長の御答弁を求めます。

【指摘】
 それぞれ御答弁をいただきました。
 市民との社会契約であるマニフェスト、そして、今おっしゃった、それは選挙により審判を仰ぐということの事実、実態というのは、私も異を唱えることもありませんし、むしろ同意見というふうに考えてございます。
 その中で、4年間というスパンで市民との社会契約を示し、それを実践してきた中で、やはり市長のおっしゃるような環境や状況の変化というもの、これは避けがたい、そういうような状況の中で、私は、適宜、事業の見直しも必要かというふうには考えてございます。
 必ずマニフェストに掲げたものを実践・実行しなければならないという担保も側面としてはございますが、やはりその状況にきっちりと即した、そして、民意をしっかりと反映できるような状況の中で、マニフェストを適宜見直しながら進めることが適正ではないかと思いますし、ひいては、市民の生活に幸せを寄与するすべではないかというふうに考えてございます。
 これについては、また新たな社会契約が生まれてくると思いますので、特に、これについて、市長との考えに齟齬がなかったことから、また新たな場面で、次なる目標に向かって議論を重ねてまいりたいというふうに思います。
 それから、次の多選批判についてですが、確かに、制度ありきと、制度主義というような形ではございません。やはり人間ですから、長く続けることによって気が緩んでしまったり、本市も本当に過去に暗い、つらい思いをしてきたという歴史があります。やはりその分、市長みずから、4期目に向けて自分を戒め、そして厳しい市勢で市政執行に向かっていくという決意がそこであらわされましたので、私も一安心はしています。
 しかしながら、16年という長きにわたって、その権力を行使する立場につくということについては、私たち議会としても、議員としても、それなりに厳しさ、さらなる厳しさという必然性が求められるのかというふうに思いますので、これについても、次回、私も当選できればの話ですが、ここにいればの話ですが、やっていきたいというふうに考えてございます。他意も悪意もありません。一般論としてお聞かせをいただきました。
 

【答弁:市長】
 まず、マニフェストの中において、私どもが行った評価の中で、まだ実現に、あるいは多くの課題を抱えているということで、目標達成に至っていない事業などにつきまして、少なくても私がマニフェストに掲げた段階で、最善の策と信じて挙げたものでありますが、この間において周辺状況に非常に変わってきている。
 それで、調査の結果、一たん矛先を変えたという案件もございますが、さらに時代は急スピードで企業のコスト、あるいは環境という視点が入ってきた関係から、それらが再浮上する環境になってくるのではないかというふうに思っておりますので、今4年間での実施には至りませんでしたが、バスの運行などについては、新たな視点での検討が必要だと思っております。
 また、託児所などについても、恐らく保育園とか幼稚園とかといった、従来の仕組みそのものが今、政府においてさまざまな議論を生んでおりますし、一方、民間企業として、多くのメリットの中に、子育て環境をどう整えるかという、そのことも問うてまいってきておりますので、これらを含めますと、これまでの概念を超えた新たな仕組みというものがつくられてくるというふうに理解をしておりますので、そうした時代に即応した展開を進めていくことが必要ではないかと思っております。
 これらの評価についてでありますが、これは公表させていただいておりますが、もとより、市民目線ということになりますと、私は、すべからく選挙だというふうに思っております。選挙を通して、私のマニフェスト実効性、そういったものが問われるというふうに思っておりますし、当然その中には、御質問の中にありました満足度といったような新たな視点での市民評価というものも厳しく問われてくるのではないかというふうに思っております。
 次に、多選批判についてでありますが、ただいま各自の例を挙げました。恐らく一般論の中において、こういうことが言われているだろうという御指摘でございますが、私自身もそのことに、少なくても該当する4期目に入っていると思っております。みずからを戒め、いやしくも多選批判の実現者に鳴らないように、みずからをしっかり戒めて、事に当たっていきたいというふうに思っております。
 一般論として申し上げるならば、憲法論議の中においても、多選批判を前提とした制度ということについては、必ずしも違憲ではないという意見が出ているように、多選ということについては、非常に一般的な議論がなされております。
 しかし、制度批判は比較的簡単だというふうに思います。そして、多選批判というのは、結果において検証できるものであって、制度の最初であろう議論というのは、極めて難しい議論であるだけに、私は、制度論も必要かもわかりませんが、ひたすら、係る多選批判に及ばぬよう、みずからを戒めていくことこそ、これにこたえる唯一の道であろうというふうに理解しております。
 以上であります。


 
平成23年度予算に対する考え方について ページのTOPへ
【質問:池端】
  続きまして、次の質問に移ります。
 2番目の平成23年度予算に関する現在の状況についてであります。
 現在、テレビや新聞で毎日のように報道されています国会の状況ですが、来年度予算については、衆議院を通過し、今後、参院が否決したり、30日以上採決せず、放置をしたりした場合でも、憲法の規定によって衆議院の議決が優先するため、年度内の成立が確定したと聞いております。
 しかし、問題となるのは、予算執行に必要な関連法案であり、現時点で成立のめどが全く立っていない状況ではないかというふうに考えてございます。私など報道機関でしか情報入手の手だてがなく、非常に心細く思っていますが、それによると、予算関連法案で最も重要なのが赤字国債の発行を可能にする特例公債法案のようであります。
 仮にそれが成立しなかった場合、予算案で見込み歳入92兆4,000億円のうち、40兆円余りに欠損が生じ、当面の税収や6兆円の建設国債などでやりくりしたとしても夏までしかもたないといったお話が聞こえてきます。
 このような、仮に資金ショートは、金融市場における国債の信認が一気に失われるおそれがあり、長期金利の上昇に伴う国債利払いの増加、また、同時に住宅ローンの金利の上昇も懸念されます。このほかに、輸入品の関税割り引きや法人税率の上昇など、さまざまな分野において多大な影響が及ぶと言われていますが、さて、地方自治体に直接的に影響を受ける影響は一体どのような規模なのか、私たちには見当もつきません。
 そこで、伺いますが、もしもこのような状況のまま新年度を迎えたとして、本市に及ぶ影響について、わかる範囲で構いませんので、お示しをいただきたいと存じます。

【再質問】
 ただいま財政部長のほうから、今、知り得る現在の状況について御答弁がありました。本当に情報不足というのは大変困るというふうに改めて感じました。
 本当に、市に直結する税収として、交付税や、例えば事務手続、事務事業の中で、恐らく最大の混乱を来すであろう子ども手当、これが児童手当にまた戻ると。本当に、6月といった支給月に合わせて、物理的にも無理な状況が出てきているという中で、全く地方の混乱を顧みず、国会では依然としてわけのわからない論議を進めていることに、本当に無性に腹立たしいというような気がしてなりません。
 そこで、この問題を対岸の火事ということで静観するというわけには当然いかないでしょうし、地方自治体の長並びに私たち議会としても何らかのアクションを起こしながら、この窮状をしっかりと伝え、本当にいい状況に戻していかなければならないのではないかというふうに思いますが、市長、何かこれについて、でき得る手だて、もしくは、今やっていることなどがございましたらお示しをいただきたいと思います。
 
【答弁:財政部長】
 私からは、国の予算関連法案にかかわります本市への影響につきましてお答えいたします。
 予算関連法案の年度内の成立につきましては、本市といたしましても強く望むところでございます。現在のところ、国などから詳細の情報については提供がございません。報道によりますと、仮にそのような事態となった場合、地方交付税法改正案におきましては、4月の概算交付額への影響が心配されるほか、子ども手当法案におきましては、今年度限りの時限立法であるため、旧児童手当制度に戻ることとなり、本市におきましてもシステム改修、また、所得の把握など、制度変更に伴う実務を考えますと、支給月の6月までの対応は極めて難しい状況にございます。
 このほか、税制改正法案や関税定率法改正案など、住民生活や企業活動に幅広く影響する法案も含まれているというようなことから、国におきましては、地方の立場に立って、混乱が生じないよう最大限の努力をしていただきたいというふうに存じている次第でございます。
 私からは以上でございます。
 
 【再答弁:市長】
 現在の国の混乱状況にあって、地方にその塁が及ぼさないようにという視点で、2月22日に全国市長会、あるいは全国町村会とともに、各方面に、地域に大きな影響を及ぼさないようにという趣旨の緊急要請を行っております。
 私どもにとっては、法案の成立ということは、市民生活にまさに直結する最前線の基礎自治体にありますので、あってはならないということであります。
 そうした基本を踏まえながらも、一方、この混乱期、それから大きな社会変革期、国際的な規模での変革の中にあって、従前の手法と従前の議論のベースを展開している限り、私どもは、むしろそのツケが大きく回ってくるのではないかと。したがって、ある意味では、国会においてさまざまな視点で、深みのある議論が今まさにされていかなくてはならないというふうに考えております。 恐らく処方せんは幾通りか、なおたくさんあるのではないかというふうに思うほど難しい状態ですから、ある意味の混乱期が象徴する状況を私たちも冷静に受けとめていく必要も一方ではあるのではないかというふうに思っております。
 もとより、市民への影響を最大限起こさないように、基礎自治体としてなすべきことについては、諸準備を整えてまいりたいというふうに思っております。
 以上であります。


人口減少及び高齢社会に対する施策の考え方について ページのTOPへ
【質問:池端】
 ぜひ良識の見知を持って、国に伝えるべきものは、国というより、政府に伝えるべきものは政府に伝えていっていただきたいというふうに思います。
 それでは次に、3点目の質問に移ります。
 人口減少及び高齢社会に対する施策の考え方についてでございます。
 本格的な高齢化社会を迎え、老年期を迎える高齢者が増加しておりますが、お年寄りの皆様との懇談の機会を通じて、よく耳にいたしますことがあります。
 この老齢期というのは、一般的に、喪失の時代と呼ばれているとお聞きいたします。例えば体力の衰えから足腰が痛くなり、歩くこともままならなかったり、記憶力が急激に低下していったりいたします。これらは、身体機能の喪失といい、これによって日常生活での動作能力が低下してしまい、だれかに依存して生活をしなければならなくなってしまいます。
 また、社会の第一線から退くことで、収入がぐんと減ってしまう経済的基盤の喪失と、社会的な役割がなくなってしまう役割の喪失が伴います。
 さらに、これまで仕事上の人間関係と比べ、狭い範囲のつき合いになったり、あるいは自分の仲間や配偶者の死に直面することも現出します。
 高齢者はこのような喪失体験をしながら、新しい環境になれていかなければならないことを、周囲にいる私たちも理解しておかなければなりません。
 ただ、高齢期は、喪失ばかりでもなく、これまでの人生経験に意義を見出し、新たな可能性に向かっている人も中にはおります。つまり、自身、つまり、自分の人生を受け入れて、やがて訪れる死を自覚しながら人生を再吟味するということが、この老年期における課題でもあると言ってよいといえます。
 したがって、年齢を積み重ねることを受容しながら、かつ、心豊かに老後を送れるかが、意義ある高齢者福祉のポイントになってきます。
 さて、石狩市は、このたびの国勢調査における速報値で、前回より661人少ない5万9,443人と、ついに6万人を切ってしまいました。当然、分母が小さくなったことから、人口に占める高齢者割合も高まったと思いますし、何より、毎年0.8ポイント前後の勢いでふえ続けているわけですから、高齢者福祉施策の需用もふえていくと考えられます。
 そこで、お尋ねいたしますが、これらの需要増加に対し、どのような考えを持って対応されようとしているのか、高齢者の皆様が安心できるよう、市の考えをお聞かせいただきたいと存じます。

 
【指摘】
 今の部長の答弁で、さぞ多くの高齢者の皆様が安心できるし、期待を持たれたのではないかと思います。
 本当に、21パーセントという高齢化率を考えたときに、さらに進むであろう、進展するであろう、その社会をどういうように支えていくかといったときに、財政の問題も一つあると思います。やはりここは、需用を高めていくという意味で、政策や事業というものを広くしていくということも、まず一つ観点にあるでしょうし、特化した事業を深めていく、進化させていくという、そのような考えというか、方向性も選択肢の中にはあろうかと思います。そこがやっぱり高齢化福祉の中で大変、一番難しいところかと。質の高さを求めているところに、どのように質を提供していくのか、広く求められている、比較的浅いサービスをどのように充足をさせていくのかと。常に財政とのバランスを見ながら、その点を進めていかなければならない。目先に迫っている大量の高齢者の皆さんというふうに考えますと、やはりおのずと心配も高まってくるであろうと、これはいたし方ないことだというふうに思います。
 特に、今お話の中にも出てきたような、地域で支え合う体制、これはしっかりと今から強行に進めていかなければ、本当に行政サービスの上限というもの、その先がやっぱり見えているだけに、重要な点になってくると思います。これについては、私たちも議会を通じて、さまざまな先進事例を含めながら、市に提案をさせていただきたい。やはりそれを取捨選択していく意味でも、部局の判断というものは非常に重要になってくると思います。
 これは、再質問というよりは、今後、将来に向けて継続的に議論を積み重ねていかなければならない案件というふうに考えておりますので、今の現時点では、安心をしていただくような御答弁がいただけたということと、将来に向けての懸念というものを多少お示しさせていただきながら、議論はここで終了させていただきたいと思います。
 


【答弁:保健福祉部長】
 私からは、人口減少及び高齢社会に対する施策の考え方についてお答えいたします。
 かつて世界が経験したことのない長寿大国であります我が国では、人口減少とともに急速な少子化、高齢化が進み、今後も続く高齢社会に対応する保健や福祉、医療だけにとどまらない、あらゆる分野における施策の推進が必要となってございます。
 本市におきましても、既に高齢率が21パーセントを超えた本格的な高齢化社会を迎えており、今後、高齢者の方が地域の中で、日々生き生きと安心して生活できる社会を築くことが求められていると考えてございます。
 高齢者像もさま変わりしまして、従来、一律に見られてきたそのイメージも、要援護者などの介護、福祉サービスが必要な方、いわゆる支えられる側と、高齢になってもいつまでも元気で、地域の一員として、豊かな知識や経験を発揮できる方、支える側に分かれるなど、今後の高齢社会において、従来の考え方を踏襲するのではなく、現実を直視しながら新たな発想を持って、保健・医療・福祉の各サービスを総合的に推進していくことが重要となると考えております。
 同時に、心身の状態にかかわらず、高齢者がいつまでも1人の人間として尊厳のある社会生活を送る上では、行政はもとより、周りの住民の皆様の理解と協力が不可欠でありまして、地域が一体となった支援体制や見守り体制など、互いに支え合う地域社会づくりが大切と考えております。
 今後は、市民一人一人が自分自身の状況に合ったサービスを選択・享受し、生きがいを持って生活できるよう各種施策に取り組んでまいりたいと存じます。
 私からは以上です。
 


まちの幸福度指数の設定に向けた考え方について ページのTOPへ
【質問:池端】
 続いて4番目、まちの幸福度指数の設定に向けた考えたについてお伺いをいたします。
 まず、本題に入る前にお伺いしたいと思いますが、市長は、市民が幸せと感じるポイントを、仮に10段階としたとき、一体どの程度の幸福感を感じていると考えておられるでしょうか、率直な意見をお聞かせいただきたいと思います。


【再質問】
 かなり唐突な質問でしたが、過半数、要するに10段階における5ポイント以上というところの感覚をお持ちになられているということでございました。
 おっしゃるように、人生いろいろでしょうし、人それぞれ個人差もあります。おっしゃるように、本当に一様にはわからないと思いますが、実は、国民が実感している幸福度を、豊かさを示す新たな指標として導入しようという動きが先進諸国で広まっているのは御存じと思いますが、2006年の調査に続いて、世界一となったのがデンマークでございます。続いて、プエルトリコ、コロンビアと、中南米の国が2位、3位となっていました。気になる我が日本ですが、調査国97カ国中43位だったようでございます。
 この国民の幸福度については、1970年から国民総幸福量という指数がございまして、GNHという指数になってございますが、この向上を経済政策の基準としているヒマラヤの小国、ブータンが有名でございますが、同国では、健康や教育、統治や精神的豊かさなどを、九つの指標から成るGNHを採用しています。
 そのブータン国民の幸福度はどうかというと、人口約70万円のうち19パーセント近くの人々が、国連が示す貧困レベルを下回っているのにもかかわらず、大半は幸福を感じているという結果が公表されております。最近の調査でも、幸福でないと回答した国民は4%に過ぎず、残りの96パーセントは幸福だ、あるいは非常に幸福だと回答しています。
 これまで、経済パフォーマンスの代表的な指数であるGDPが、社会的な幸福をはかる指標とされてきましたが、しかしながら、現在では必ずしも適切ではないとされる意見も多く出てきています。
 いずれにしても、この幸福度について、賛否両論が存在することを認めつつ、例えば日本が行った新国民生活指標――PLIというのですが、では、住む、費やす、働く、育てる、いやす、遊ぶ、学ぶ、交わるという八つの活動領域を設定するとともに、豊かさは、一つの評価軸ではなく、複数の評価軸により総合的に評価することが必要との観点から、さらに、安全・安心、公正、自由、快適という四つの評価軸を設定し、8掛ける4のマトリクスにより重層的に評価する考え方となっています。
 これは、あくまで国家レベルの指標項目ですが、石狩市民が幸福と感じられる生活環境をつくることを目的に、そのバロメーターともなる幸福度の指標を策定することは、政策評価のバロメーターとして、あるいは政策の目指す方向性を見きわめる基本的なデータとしても極めて有用なデータになるのではないかと思います。
 改めて、市長の御所見をお聞かせいただきたいと存じます。

【再々質問】
 あっさりと再答弁が終わってしまいまして。
 生活様態という部分で、特にここで訴えているのは、貨幣ではなく、非貨幣的な視点で、人々が幸せかというようなことに軸足を置いて考えられております。それが福祉の分野であったり、非貨幣的な価値といっても、事業に貨幣が伴うものでございますが、それにしても、その充足感というものが、ひいては市民の幸福度につながっていくというような考え方であります。
 本当に老若男女、そして、それらの皆さんがどのようにこの石狩市をとらえているかというような指標というか、感覚をはかり知るということも時には必要かなというふうに思いますし、研究が全く遠い先の研究で終わってしまうのか、やはりもっと今、行政が進める評価の基準としてのアンケートや検証というよりも、むしろ、市長がよくおっしゃる石狩スタンダードというような、石狩ならでは評価の指標という部分を策定することも時には必要なのかなというふうに考えてございます。
 決して個人の一つ一つの要望を充足しなさいということを言っているわけではありません。非常に抽象的であっても、このまちで住んで、いいよねと。何がといったときに、ここがと言えるような政策の展開ですとか、そういう何かを指定して評価を言えるような市民が多くふえることが、最終的な石狩の幸福度になるのではないかというふうに思いますので、改めてその辺について、もう少し長く御答弁いただければというふうに思います。
 以上です。


【答弁:市長】
 市民の幸福について、極めて哲学的な御質問だというふうに受けとめざるを得ません。受ける環境、年齢、それから仕事の仕方、子どもを持っているか、持っていないか、あるいは農業を行っているか、工業に司っているか、それぞれの状況にて、一律的に幸福度ははかれるものではないというふうに思っております。
 少なくても石狩において、多くの問題を抱える中で、石狩に住んでよかったというふうなデータも各種の調査の中に出て、少なくても過半数以上の人たちが、やはり住んでよかったというふうに認識しているということは、私どもの調査の数字の範囲でありますが、出ているという事実がございます。
 以上であります。

【再答弁:市長】
 幸福度の指標について、そのような時代が来ていることは事実であります。今後の研究テーマとして検討させていただければと思っております。
 以上であります。

【再々答弁:市長】
 経済的な価値とか個人的な利益ということで推しはかれないということは御指摘のとおりでありまして、時代の価値観というのは非常に大きく変わっております。
 またその一方で、宗教観とか文化感とか、なかなか計数的に定量的にとれない問題もあって、幸福像とは一体何かというのは、まさに今、マイケル・サンデルさんが世界に向かって熱い事業を展開しているように、私どもが定義というものに、むしろおそれを持って迎えるべき大きな内容を持っているというふうに思っております。
 しかし、哲学、あるいは文化的な論議だけで、事は、政策でありますので、進まないのも事実でありますので、先ほども申し上げましたように、まだまだ研究という段階であろうかと思います。
 GDPに対応する幸福度というスタイルになるものか、GDPとはまた全然違う次元での議論になるか、私どもも研究テーマとして検討すべきだというふうに理解しております。
 以上であります。
 
幼児の保育と教育の一体的な施策の展開について ページのTOPへ
【質問:池端】
 研究成果に期待しております。
 それでは、最後の質問です。
 幼児の保育と教育の一体的な施策の展開についてお尋ねをいたします。
 さきの新聞報道にありました幼稚園における預かり保育の延長事業ですが、私としては、認定子ども園とは一線を画しながら、幼児教育に軸足を置いた保育の充実について、まさに現代社会におけるニーズと合致した極めて理想的な形態に近づきつつあるのではないかと感がじております。
 また、平成21年9月の第3回定例会で田岡市長がお答えになっていたとおり、待機児童解消に向けた保育園施設の設置が過大整備とならないよう、幼稚園施設を活用する前向きな取り組みに対して、まずもっと絶賛を表したいと思います。
 この事業は、働く親御さんにおける幼児教育の要望や幼稚園の定員割れの解消がねらいにあると新聞報道にありましたが、本市は、これまで毎年、解消されぬ待機児童問題に追われてきており、ここ近年、保育所の増設や認定子ども園の開設などが進められてきました。
 それらの取り組みが功を奏したと見られ、本年度において、現在、待機児童はゼロとなっていますことから、国における幼保一体化の問題を残しながらも、本市の取り組みの視点に間違いはなかったものと感じております。
 自分のお子さんに教育を受けさせたいと考える親御さんは決して少なくはなく、このように延長保育が実施されるとなれば、結果として、働く親御さんにも子どもたちの幼児教育環境が整っていくことになると思います。私としても、この環境がしっかり定着し、さらに、状況によっては拡大できればよいと考えております。
 さて、それらの観点で、何点かについてお尋ねをいたしますが、まず1点目として、現在、幼稚園では定員の過不足など施設にばらつきがあり、待機児童解消の観点からすると、定員を下回っている施設の受け入れしか、効果は望めないと思われますが、その限定的な人数についてどう考えられておられるでしょうか。
 次に、2点目として、御家庭への負担軽減が、今回、予算化された教育振興交付金などで最小限に抑えることができるのでしょうか。
 また、施設側にとって、初期的費用の発生などが考えられますが、それらに対する措置についてはどのように考えておられるか、以上についてお聞かせください。


 【再質問】
 恐らく時間が40秒ほどしかないと思いますので、深くこれを議論する話にはなりませんが、いずれにしても、初年度ということで、3年の時限事業というふうにお伺いしております。
 先ほど、冒頭お話をさせていただいたように、やはり継続性を持ってということでは、最初につまずきがあると、やはり継続性に支障を来す可能性が出てきます。
 この辺は、受け入れ人数の、ある程度の限界点を超えると、人を1人ふやさなければならなかったりですとか、想定される人件費の範囲を超える場面も、もしかしたら出てくるのではないかということから指摘をさせていただきましたが、それらについてしっかりと、3年あるから3年続けるということではなく、単年度ずつでも事業を検証をしながら、ふぐあいの生じないような進め方をしていただきたいと思いますが、最後、その点についてお伺いして、質問を終わりたいと思います。
 以上です。



【答弁:保健福祉部理事こども室長】
 幼稚園の預かり保育事業について私からお答えをいたします。
 初めに、待機児童解消の効果についてでありますが、定員超過の園につきましても、児童の安全確保などを考慮し、許容範囲内での適正な状態で事業実施が可能か判断していただくことになりますが、いずれにいたしましても、事業の実施に当たっては、各園の自主性、主体性を尊重してまいりたいというふうに考えております。
 次に、家庭への負担についてでありますが、このたびの預かり保育事業拡充の制度設計に当たっては、定員規模や利用実績を踏まえた人件費に対する助成であり、現時点では、積算見込みの範囲内で推移するものと認識しており、新たな保護者負担の発生は想定しておりません。
 次に、初期費用についてでございますが、通常の預かり保育事業につきましては、これまでも既に全園で実施しております。そのため、事業拡充に伴う整備などは必要としないため、その助成については考えておりません。
 なお、今後の預かり保育事業の取り組みにつきましては、事業を十分に検証し、幼稚園関係者と協議・連携を図り、また、国が検討しております子育て新システムの幼保一体化の動向を注視し、とり進めてまいりたいと存じます。
 以上です。

【再答弁:保健福祉部理事こども室長】
 池端議員の重ねての御質問に私からお答えいたします。
 3年間の事業であるから3年後ということではなくて、先ほど申し上げました、十分に事業者と事業の検証というものにつきましては、単年度ごとに事業者の方と御相談をしながら進めさせていただきたいというふうに考えております。
 以上です。